上方落語に名人多数。
今は亡き二代目桂 枝雀師匠は天才でした。
私が落語に目覚めたのは、小学校の4,5年生の頃だったと思います。
ラジオの深夜番組で、笑福亭仁鶴や今の六代目桂文枝(三枝)等がラジオの深夜番組のMCを勤めて聴取者からのハガキや様々な話題をしゃべるのですが、その面白いこと面白いこと、当時はまだ小学生が深夜放送を聴くなどもってのほかの時代でしたから、自室でイヤホンを使い、家族にこっそりと聴いていました。しかし余りにも可笑しくて、おもわず大きな笑いが声になり、母親がびっくりして様子を見に来て、「こんな夜中に何してるの!」と叱られる始末でした。
その後このラジオの深夜放送がきっかけになって上方落語に興味を持った私は、落語番組を積極的に聴き始め、当時はまだ若かった笑福亭松鶴、三代目桂春団治、五代目桂文枝に、忘れてはならない今の人間国宝の桂 米朝師匠など等そうそうたる名人達の高座を、関西ローカルのテレビ番組で楽しみにして観ていました。たしか土曜日のお昼過ぎから吉本新喜劇に引き続き、毎週テレビ放送されていたと思います。
観ているうちに、自分でもやってみたくなり、練習を重ねて小学校の卒業式の後のお別れ会で、仁鶴師匠バージョンの「池田の猪買い」を演じました。出来のほどは記憶にありませんが、かなり必死ではなしたと思います。
その後 「桂 枝雀」と言う噺家を知りその独特の雰囲気やはなし方に、すっかりはまってしまうことと成ります。いろんな古典落語も彼の手に掛かれば、枝雀オリジナルに上手く料理されて私を引き込んでくれました。中でも「まんじゅうこわい」「代書屋」「寝床」が私のベスト3です。英語落語も熱心に取り組み米国まで公演に行っていました。神戸市灘区で生まれ、少年時代は伊丹市で過ごしたそうです。国立神戸大学在学中に退学して桂米朝門下に弟子入りした秀才です。桂南光は一番弟子でYOUTUBEで様々な逸話が南光自身から紹介されています。
http://www.youtube.com/watch?v=Q1dv5akpSuI
桂枝雀の天才的なセンスと稽古の鬼と呼ばれた努力から生み出されるはなしは、まさに芸術的であり、何時聞いても飽きずに新鮮に笑わせてくれます。
1999年3月、自ら命を絶ったのですが、洋の東西を問わず、天才的な芸術家は、余りにも早くに天国に召されるように思います。
YOU TUBE 「寝床」のURL
http://www.youtube.com/watch?v=1fQ_nl1Y-HU