私でも禁煙とダイエットに続き、禁酒にも成功しました。自分にとっては、画期的な事でした。

ダイエットを成功持続させるコツは、ダイエット型の心をつくる事。
ところが禁酒と成ると、そうは簡単ではありませんでした。
まず禁酒型の心など想像も出来ません。それまでの人生、風邪をひこうが、体調が悪かろうが一日として飲酒しない日はありませんでした。
酒を飲めない人生なら死んだ方がまし...と心底思っていました。
給料、ボーナスの多くが酒代の支払いに消えて行きました。
それでも30年以上前のことでまだ若く、いくら遅くまで飲んでいても翌日の仕事はなんの問題も無くこなせていました。内臓も強かったのでしょう、
定期健診でも問題が見つかる事はありませんでした。今思うとそれも自分にとってマイナスの方向に作用したのです。ところが35才を越えた頃から、序々に身体に影響が出るように成ってきました。まず二日酔いがひどくなってくる、迎え酒だと休みの日は朝から飲むようになる。家族で外出した時も必ず缶ビールなど携行して飲む。まず夜は寝酒をしないと眠れなく成っていました。特に40台に成りますと、もう酒なしでは何も出来ないと言う状態にまで成りました。
不思議とその頃は仕事は出来ていましたが、いわゆるアルコール依存症になってしまっていたのです。
さすがに周囲も気が付きます。しかし酒を控えるようにとのアドバイスも耳に入らなく、止める気は毛頭ありませんでした。
ところが肝臓がやっと悲鳴をあげてくれました。肝臓は沈黙の臓器とはよく言ったもので、非常に我慢強くギリギリまで症状が出ません。私の場合は肝臓がはれ上がることによって、腰の筋肉を圧迫し腰痛という形で症状が出た為、ようやく病院に行くきっかけが出来ましたがその時はまだ酒が原因とは思っていません。
近くの大学病院に行き、問診票を書き最初は内科に行ったように覚えています。検査の結果は、重症の肝炎。肝硬変の一歩手前との事でした。
また胆のうに石が3個あるが、胆のうの下の方にある為自覚症状が無い
サイレントストーンと言うものでした。
その日から、否が応でも禁酒をする事に成りました。禁酒をしていてもまた飲んでしまう事をスリップと言いますが、自分から望んで禁酒をした訳ではなかった事もあって、私の場合もこのスリップをしてしまう事に成ります。
とにかく、落ち着いてからは2週間に一度、処方された薬を飲みながらの病院の神経・精神科通いに成りました。しかし当時はまだ、アルコール依存症に対する理解も十分ではなく、単に精神的な病のひとつとされていました。精神力で克服出来ると………。
当然、禁酒は自分にとって、かなりきついものでした。禁煙の時とは次元が違いました。最初はうつ状態がひどかったり、夜も眠れない日々が続いたり禁断症状と言うものも体験しました。病院では、対処療法的にそれぞれの症状に合わせた薬を処方する。当時のその病院でも、まだアルコール依存症と言うものを正しく理解されていなかった様に思います。その後アルコール専門外来の存在を知り通い始めますが、ここが運命の分かれ道。今思えばこれで救われた気がします。肝臓を初めとする内臓や血液の状態は、禁酒により正常値に回復してくれました。本当に肝臓様々です。まだ若かったのです。
当初は、抗うつ剤、睡眠導入剤を処方され飲んでいましたが、やはり副作用は薬には付きものです。禁断症状が和らぐのとは引き換えに、めまいや脱力感、頭痛等に悩まされはじめ、暫くこの症状と付き合う事と成ります。
現在に至るまで禁酒が続けられている決定打は、アルコール専門外来で出された抗酒剤シアナマイドだろうと思います。この薬は身体に作用して、飲酒した時に、まったくお酒が飲めない人と同じ状態になる薬です。
これを毎朝キャップ1杯飲む。そうしている内に酒に対する欲求が薄れて行きました。同時にうつ的な症状も和らいだ様に思います。

結果、その後10年間まったくお酒を飲まない生活を送れました。
しかしアルコールだけでなく全ての薬物による依存症は、完治する事はありません。死ぬまで断酒を続けなければ、コップ一杯のビールで元に戻ってしまいます。ここがこれらの依存症の怖いところです。メカニズムは、薬物も同じです。脳のメカニズムを変えると言うか破壊してしまいます。普段人は脳内の神経伝達物質にアデノシンと言うものが作用して、人を興奮させる脳内物質のドーパミンの分泌を抑制しています。ところがアルコールやニコチン、コカイン、ヘロイン、覚醒剤やLSDなどの物質はこのアデノシンの働きを邪魔して、ドーパミン出放題の状態にします。それで人は覚醒躁状態に成ったり、幻覚をみたり、お酒を飲めば思考回路に変化が起きたりするのです。
アルコールは成人でお金さえあれば、簡単に手に入ります。日本では、公衆の面前でも普通に飲む事が出来ます。だから怖いのです。特に依存症の患者にとってはです。
でもこんな私でも禁酒に成功しました。これは、自分の人生にとっては画期的なことだと思っています。
なんとか生きている内は、禁酒を続けて行きたいものです。精神状態が穏やかで安定しています。幸せな事です。

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●私が30歳で煙草を止められたの

●1年掛かりで、健康的にダイエ

●何故、ダイエットに成功したか
●私でも禁酒に成功しました.......