この時期にイタリアのクリスマス用パン、パネトーネのお話し
とフランスパン

イタリアで古くから親しまれていて、クリスマスに食べることが多いパンで、パネトーネ
(panettone)と言うものがあります。ミラノが発祥で昔はそれぞれの家庭で普通に作られていて、クリスマスの食卓を賑わしていました。
パネトーネ種酵母菌でゆっくりと時間をかけて発酵させて作ります。卵、ミルク、バター、砂糖をたっぷりと使ったブリオッシュ生地にレーズン、レモン、オレンジ等のドライフルーツを練りこんでいますが、意外とあっさりしていて食べ易く美味しいパンです。
このパンの特徴は日持ちがすると言うことです。パネトーネ種は、イタリア北部地方で古くから使われていて、初めてお乳を飲んだ孔牛の腸内に由来します。色々な雑菌に耐性を持った酵母菌です。従ってこれを使用したパン内の雑菌に強く、また保水性にも優れている為に長期の常温保存が可能なのです。
クリスマスの頃に作ったものが春遅くの頃まで、常温で置いておけます。
つまり今の時期まで美味しく食べられると言うことです。他に保存方法が無かった頃の人の智恵が生み出した保存食ですね。
最近長期保存可能なパンを店で見かけることがありますが、このパネトーネ酵母菌に由来したものを使っているようです。
 私はこのパンが好きで、手軽に手に入る頃は良く食べていました。今でもクリスマスには、クリスマスデコレーションケーキでは無くこのパネトーネかドイツのシュトーレンを食べています。このシュトーレンも独特の固めの食感で非常に美味しいパンです。
 本来、保存料や抗酸化剤、防カビ剤などを入れない手作りのフランスパン等は3日でカビがはえることがあります。焼成面では比較的カビの発生が少ないのですが、カットした場合などはそのカット部分に直に発生します。私などは常温で放置した食パンなどに一向にカビの発生がないのを見ると、そら恐ろしく成ります。
 パンの保存は、冷凍がお勧めです。バタールやバゲットなどは、スライスしたものをビニール袋に入れて冷凍庫で保存しましょう。
 トースターで焼くとパリットと美味しくいただけます。
 個人的な見解ですが、太平洋戦争後、米国が自国の主要な輸出品であった、小麦を大量に消費させる一環として、日本の学校給食のパンがホットドッグ用のコッペパンになり、多くの日本人のパンのイメージとして定着してしまい、パンとは柔らかいものと言う意識が植え付けられた様に思います。
 ところがヨーロッパの主食用のパンは、フランスパンに代表される様に表面を固く焼成させて、水分を中に閉じ込めて保存が利く様に成っています。
 クロワッサンやブリオッシュ生地は別にして、パンドカンパーニュ(Pain de campagne)などの素朴なパンは、小麦、水、塩、天然酵母だけで作ります。焼きたてを口に入れた時の小麦の香りと噛み応えは、もうパン好きには、堪りません。
 これらのヨーロッパ系のパンの味と食感がもっと広まる事を願ってやみません。

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 パネトーネのお話しとフランスパン