縁の下の力持ちであった梅田北ヤード、
そして新しい時代に翔くグランフロント大阪

JRは「大阪駅」、地下鉄、阪急、阪神は「梅田駅」。多くの方がそう認識していらっしゃることでしょう。しかし、JRにも梅田駅はあるのです。それはJR貨物にあります。梅田貨物駅すなわち梅田北ヤード。かつてJR大阪駅の北側に広大な貨物ターミナルがありました。しかし、国鉄の分割民営化以降徐々に縮小され、そして梅田北ヤードの最後に残された部分も2013年4月1日をもって廃止となり、その跡地はこれから再開発されることになります。
かつて大阪駅は旅客と貨物の両方を取り扱い、なおかつ車両基地としての機能も持った今よりも更に多様な設備を備えたものでした。しかし、旅客、貨物とも取扱量が増えるにつれて手狭となり、それ以上の拡張も不可能な状態になっていました。そこで貨客分離を図るためそれまでの大阪駅の北側につくられたのが梅田北ヤードです。日本で始めてのコンテナホームが設置され、車両の両側から荷役作業の行えるプラットホームが建設されるなど、当時の先鋭をゆく設備が備えられ、日本の物流拠点として活躍していたのです。
しかし、国鉄は巨額の債務を抱えて分割民営化、清算事業団はその広大な都心の一等地である梅田北ヤードに目を付けます。それを民間に売却し、長期債務返済に充当することになります。コンテナターミナルとしての梅田北ヤードの機能は吹田貨物ターミナルと百済貨物ターミナルへ移転することになり、その機能を終えることになりました。その跡地は「はるか」「くろしお」など新大阪からの通過列車のバイパス線となる部分を残して売却されることになるのです。
長きに亘り活躍した梅田北ヤードもその末期には、もはや見る機会もすっかり少なくなった都会での貨物取り扱い風景を見ることのできる、いわば「聖地」として鉄道マニアの間では注目されるものとなっていました。ディーゼル機関車が排煙を上げ、轟音とともに行き交いつつ貨車の入れ替え作業を行う風景、数多くのフォークリフトが行き交い、トラックが出入りする荷役作業の風景。そうした光景はいつしか珍しいものとなっていたのです。
長きに亘り、関西のそして日本の物流を支え、生活の基盤として存在してきた梅田北ヤード、今後は再開発され新しい時代を迎えることになります。ある意味知る人ぞ知る縁の下の力持ちであった存在の梅田北ヤード。ある意味これから日の目を見る時代を迎えたとも言えるでしょう。先行して売却された部分につくられたのがグランフロント大阪、つまりはこれから更に発展するという意味。大阪駅からもほど近い梅田北ヤード、どう生まれ変わり、私たちにどんな驚きと感動をもたらしてくれるのか、目が離せないところです。

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