新畳と緑茶の効能.......癒されます
日本人であれば、畳を知らない人はいないのではないでしょうか。海外旅行から帰国した時など、やっぱり家がいいと思って横になるのは、畳の上なのではないでしょうか。畳の上に大の字になり、ゆっくり目を閉じた時の何とも言えない「い草」の臭いに癒されてしまいます。日本古来から、絶えることのない畳文化は、これからも日本人として受け継ぐべきものなのだと思います。畳の上で歩いたり、座ったりするには色々な作法があります。 日本人の文化の一つに、茶道があります。お茶を飲むために、茶室があります。茶室は、畳が敷いてあり、その上でお茶を点て、一服します。茶道は、昔の戦国武将が広めていったともいいます。心を落ち着かせ、同じお茶を皆で飲み廻し、団結したといいます。畳の上を歩くときは、足の裏をドタドタを音を立てず、撫でるように足を運ぶように指導されます。そして、畳の縁を踏まず、その上に座らないように指導されます。これは、戦国時代の敵からの防御の為だそうです。 音を立てずに歩くことで、敵から見つからないようにする。そして、縁に座らないようにすることで、下から槍で突かれないようにするという、油断しないようにといっているのです。現代は、椅子文化でなかなか畳の上で食事をすることが珍しくなってきました。戦前の頃は、畳の上に「ちゃぶ台」を置いて、そこで食事をすることが当たり前で、常に畳は生活の一部でした。最近の若者は、畳社会ではないため、正座も長時間出来なくなっているとききます。 現代人は、スタイルもよく欧米人のように、足も長く背も高くなってきました。当然、畳に触れる時間も少なくなってきています。畳の上で正座をすることで、辛抱強さが見えないうちに培われていたのではないでしょうか。現代の若者は、すぐにキレたり、長続きしなかったりといいますが、これは、環境によるものが大きく影響しているのではないでしょうか。日本古来の文化に触れる時間をとることで、精神の発達に良い影響を与えるのではないでしょうか。 日本人の素晴らしい文化を絶やしてはいけないのではないでしょうか。畳を生活の一部に取り入れられる住空間を、再び蘇らせる努力が必要です。畳の上に座り、勉強をすることでもいいのです。昔の方に習い、茶道・書道等の文化的なことを積極的に取り入れ、身近なものにしていけば、落ち着いた情緒ある人間が形成されていくのではないでしょうか。忘れかけていた、失われつつある古き良き日本文化を、もう一度見直し、物にあふれた生活から、茶道の茶室のように質素でありながら贅沢な空間を作り上げていくことが、将来の日本には必要なのではないでしょうか。 |