大阪のオバチャンと言えば飴ちゃんと豹柄のイメージですが、
そのパワーは見習わないと
おせっかい・口やかましいと言われる大阪のおばちゃんは、CMにも登場する独特のキャラクターを確立しておられます。私は、大阪の北部地域に生まれ育ちましたので、この大阪おばちゃんキャラクターは少々誇張されていると思っていました。
ところが、大阪の中心地に位置する商店街に出向くとき、このご婦人方に会うことができます。店先で気軽に呼び込みをしておられたり、小料理屋に入れば愛想よく迎えてくださいます。 成人男性をみな「お兄ちゃん」と呼び、100円のお釣りに「万円」をつけ、飴ちゃんを持ち歩いていると言う話はあまりにも有名です。
このリップサービスは、大なり小なり和みにつながりますので、少しでも笑いを増やそう運動であるかのようです。当の大阪のおばちゃん達には、そんな気概はもうとうないところがまた面白くていいのです。
大阪の北部と南部では、気質が違うということは分かっていましたが、それ以上に多様なおばちゃんの本質に気づいたきっかけがありました。それは、歌の歌詞です。
「大阪ソウル」というCDがありまして、大阪を舞台にした歌の数々が入っています。
一番有名なところでは「大阪で生まれた女」でしょうか。この歌詞の中の女性たちは、実に切なくて優しくて懐深い、情の篤い大人たちなのです。主張が多いように思われがちですが、自身のことは後回しにして、相手を優先にする大阪の魂は、この女性の下で育まれた男性と子どもたちがしっかりと受け継いでいるのだろうと合点がいったのでした。
簡単にはなびかない信念があって、辛いことも口に出さずに笑って過ごすことのできるとても強い大阪女性です。人には優しく自分には厳しい、そんな姿を一方ではしっかりと認識している男性がいます。だから、大阪の男性たちは女性に甘えもするけど労わりもするという、魂に染み付いた心意気をお持ちなのだと思いました。
また、大阪のおばちゃんたちは一見ガメツイように思われがちですが、サービス精神が旺盛な分おせっかいになっているように思われます。それも相手のためであり、自分の損得を考えていない場合も多々あるようです。
お店でおまけを望むおばちゃん達からは想像できないかもしれませんが、笑いの裏に見え隠れするタフさが確かにあるのです。生物多様性などと取り上げられることもありますが、まさに多様なパワーを秘めているであろう大阪のおばちゃんに学び、人づきあいを薄っぺらいものにすることなく懐深くいこうではありませんか。飴にも負けずにです。