大阪市の各地域における特性の違いについて
一口に大阪と言っても、広い地域を指します。都道府県としての大阪府に、更にその政令指定都市としての大阪市が存在しますが、今回は大阪市について取り上げます。
大阪市は大阪府の中心と言える地域ですが、一口に大阪市として特性をまとめられないほどには広く、各地域に個性的な特徴があります。私は生まれも育ちも大阪で、大阪の各地域を転々と引っ越して暮らし、大阪市にも長く暮らしています。そのために、その地域の違いによる特性を肌で実感しています。
大まかに、地域による違いをまとめてみると、北部は他の地域と比べると、地価や物価、生活水準などが高い傾向があります。たとえば商業でも、このキタと呼び習わされる地域に出店することは、それだけのステータスを有します。
それに対して南部は、他の地域に比べると庶民的で、地価や物価が安い傾向があります。実際に暮らすに当たって収入がさほど多くなくても暮らしやすい地域です。キタに対してミナミと呼び習わされる地域ですが、商業においてはキタに比べて少ない資金で出店できるメリットがあります。いわゆる安売り店が多く集まって競合している地域です。日本でも有数の電気店街はこの地域にあり、大阪市の経済の活性化に一役買っています。
西部は、いわゆるウォーターフロント地域です。埋立地にテナントの入った商業施設や公共施設、市民が暮らす住宅地が計画的に開発されています。公共交通機関である地下鉄やニュートラムが整備されていて、この地域への足となっています。 一般的にウォーターフロントは高級なイメージがあり、地価や物価が高い印象があるのですが、大阪市のウォーターフロント地域は非常に手ごろです。交通の便が良く、大阪の中心地域へ行き来しやすいにも関わらず、地価や家賃が安い傾向にあります。暮らしやすい地域です。
東部に関しては、歴史のある土地が多く、開発についても最近まであまり手付かずだったのが、近年では見直され積極的に開発されている地域です。公共交通機関も古くから私鉄が多く乗り入れている地域ですが、最近では市営地下鉄の新しい路線が複数、導入されており、それに伴って大阪市に働きに出る市民たちのベットタウンとして注目されています。そうやって開発された地域の地価や家賃は南部や西部と比べるとやや高めなことも多いのですが、古くからの下町も多く存在していて、その地域では地価や物価も安く、暮らしやすい特徴があります。
大阪市のそういった地域の違いの特性を把握した上で、目的に沿って地域を選んでいきたいものです。