宇治茶の歴史と宇治茶のおいしい飲み方
宇治茶とは、京都府宇治市を中心として、京都南部の地域で生産されている日本茶です。日本茶の中でも高級ブランドで、静岡茶と並ぶ「日本2大茶」と言われています。宇治は良質な茶を生む環境に適しており、日本の茶文化の中心としての地位を占めています。宇治茶は平安時代に最澄と空海が唐から持ち帰り、比叡山のふもとに植えたのがはじめとされています。そして、鎌倉時代、栄西が宋から帰ってきたおりに、お茶を飲む習慣を広めました。
宇治茶の歴史は、お茶を飲む習慣が広まった後、足利幕府の奨励を受け、宇治に茶園が開かれました。それまでは栂尾茶に次ぐ存在でしかありませんでしたが、南北朝時代から宇治茶の素晴らしさが日本に広まりました。江戸初期には「宇治茶」の名前が広く知られるようになりました。1738年、宇治田原の永谷宗円が宇治茶製法をかくりつし、江戸で販売されるようになり、1834年には、玉露製法が辻利右衛門が玉露の作り方を生み出しました。
宇治茶で取れるお茶は、「抹茶」「玉露」「煎茶」「番茶」があり、栽培の仕方でそれぞれ違いがあります。玉露はよしずやわらで茶園を多い、日光を遮蔽してうまみ成分を増やし、苦味を抑えた高級茶です。抹茶は、玉露と同様に栽培し、蒸した茶葉を揉まずに乾燥させたものを碾きます。煎茶は、国内で一番多く飲まれるお茶です。茶葉の新芽を、揉んで乾燥させたものです。番茶は、一番茶を摘み取った後の、硬くなった芽や茎を蒸して乾燥させたものです。
中国から日本にお茶わたってきたとき、お茶は薬として伝わってきました。お茶の効能は、カテキン・カフェイン・ビタミンC・カロチン等、ミネラル成分が含まれており、健康にもよい問われています。カテキンには殺菌作用がありますので、風邪などのウィルスを防いだり、口腔内を殺菌し、酸化防止効果もあります。また、カテキンやビタミンCなどには抗酸化作用がありますので、美肌効果を得られたり、糖分や脂質の代謝をうながし、コレステロールを分解するなどのダイエット効果も得られます。
宇治茶の美味しい飲み方は、まず淹れ方にあります。宇治茶の中で一番良く飲まれている煎茶の淹れ方は、お茶の葉を一人当たり小さじ1杯で人数分の茶葉を急須にいれ、70℃のお湯を急須に入れて2分蒸らします。お茶を冷ますときは、茶碗にお湯を3回ほど移し替えるとちょうどよい温度になります。茶器も温めることができます。注ぐときは、湯飲みに少しずつ順番に注いでいきます。濃度が揃うように注いでいきます。そして飲む時は、すするように飲んで宇治茶の味と香りを楽しみます。