宝塚歌劇団の入団方法と歴史など
宝塚歌劇団は、2014年に創立100周年を迎える歴史ある歌劇団です。阪急東宝グループ(現・阪急阪神東宝グループ)の創業者として有名な小林一三により設立されました。劇団員は未婚の女性だけであり、男役と娘役に分かれます。宝塚歌劇団内には花組・月組・雪組・星組・宙組の5つの組があり、それぞれが順番で宝塚大劇場や東京宝塚劇場などで公演を行います。また、組に属さない経験を積んだ熟練の集団である専科と呼ばれる人たちもいます。この人たちは、それぞれの組の脇を固める重要な役割を果たします。
宝塚歌劇団に入団するためには、宝塚音楽学校に入学して二年間の修行を積むことが必要となります。また、宝塚音楽学校に入学するためには、東の東大・西の宝塚と形容される程の高倍率の難関を突破しなければなりません。その試験内容は、第一次試験の面接、第二次試験の面接・歌唱・舞踊、第三次試験の面接・健康診断となります。これらのすべてを通過しなければならない程厳しいものです。受験資格は、受験時に中学卒業あるいは高等学校卒業又は高等学校在学中の者に限られます。
無事に宝塚音楽学校を卒業して宝塚歌劇団に入団した時点で、研究科1年という立場になります。これは、舞台年数を経るごとにその年数が増えていきます。宝塚歌劇団の劇団員は研究科5年までは、女子技芸員として社員契約を結びます。研究科6年目に晴れてタレントとして宝塚歌劇団と個別に契約を結ぶことになります。これは、女性の結婚適齢期に配慮して設けられたものです。理事職についた者以外は、満60歳の誕生日に定年退職となります。
宝塚歌劇団の5組の頂点に立つのは、男役トップスターです。また、この男役トップスターの相手役を務める娘役を娘役トップスターと言います。基本的にこの立場に立つことができるのは、1つの組にそれぞれ1人だけです。それぞれの個性に合わせて、脚本執筆も兼任する座付演出家によって作品が作られています。このように宝塚歌劇団には、スターだけでなく座付の演出家や作曲家、振付師が存在しています。また、本拠地の宝塚大劇場公演で演奏を担当する専用のオーケストラも存在します。
宝塚歌劇団を一躍有名にした演目に「ベルサイユのばら」があります。これは、宝塚歌劇団の代名詞とも呼ばれており、現在でも記念の年などに再演が行われています。宝塚歌劇団の演目は基本的には、第一部のミュージカル仕立ての芝居と第二部のショーやレビューに分かれます。夢と浪漫の溢れる恋愛物の芝居の後は、絢爛豪華なショーやレビューを楽しみます。スターになるごとにファンの数も増えて、そのサヨナラ公演はプレミアチケットとなることも珍しくありません。