大阪今宮戎神社 十日戎のアクセスと日程 今宮戎神社は、大阪市浪速区恵美須西一丁目に鎮座し、天照皇大神・事代主命・外三神を奉斎しています。戎さまは、左脇に鯛を右手に釣竿をもっておられます。
そのお姿は、もともと漁業の守り神であり、海からの幸をもたらす神を象徴しています。 今宮戎神社もかつては海岸沿いにあり、海の産物、里の産物、野の産物が物々交換されるいわゆる「市」の「浜の市」が開かれるようになり、その市の守り神としても今宮戎神社の戎さまが祀られるようになりました。 室町時代以降、大阪の街も発達し大阪町人の活躍が始まります。江戸期になると大阪は商業の町としてより一層の繁栄を遂げ、今宮戎神社も大阪の商業を守る神様として篤く崇敬されるようになりました。 十日戎の行事もこの頃から賑わいをみせ、延宝三年の現存する最も古い大阪案内の図「葦分舟」にも十日戎の情景が描かれています。元禄期になると十日戎の祭礼を彩る宝恵籠の奉納も行われるようになり、今日と同じような祭礼となりました。 (アクセス)大阪府大阪市浪速区恵美須西1丁目6番10号 ℡06-6643-0150 地下鉄御堂筋線大国町駅3番出口より東へ徒歩5分 現在では、「1月9・10・11日」の三日間の祭礼で約100万人の参詣者があり、大変な賑わいをみせています。 時代とともに十日戎の祭礼も盛大になってゆきますが、それは古代から大阪の人々が戎さまを崇敬した歴史であり、大阪の庶民生活の積み重ねが十日戎に投影されたもののように思われます。十日戎を象徴するのが、神社から授与される子宝です。子宝は別に「吉兆」と呼ばれ、銭叺・銭袋・末広・小判・丁銀・烏帽子・臼・小槌・米俵・鯛等の縁起物を束ねたもので、「野の幸」・「山の幸」・「海の幸」を象徴したものです。吉兆はその中にこもる「御神徳」をいただく信仰を受け伝えたものです。この吉兆を笹につけて参拝者は家路につきます。今宮戎神社へ参拝する、最も重要な道筋にあたる今のなんばCITYは、三百年以上昔から十日戎の祭日には参詣客が道をうずめ、福笹の波が青々と道にあふれました。昔も今も変わらぬ情景です。なんばCITYと十日戎のこうした深いつながりに因んで、毎年一月の十日戎の祭日には、ロケット広場を中心ににぎやかに飾り付けられ、献灯されています。大阪では江戸時代から、毎年一月九日は宵戎に、雑喉場魚市場が戎さまにゆかり深い大鯛を今宮戎神社に奉献して大漁と商売繁盛を祈願するのが吉例になっていました。今は雑喉場の流れを継承する大阪木津市場の人々によって、十日戎献鯛神事が奉納されています。元禄期になると十日戎の祭礼を彩る宝恵駕籠の奉納も行われるようになり、今日と同じような祭礼となりました。宝恵駕籠も宝暦の頃には現在にみられる形式が整備されます。現在で宝恵駕籠も地元商店街の協力の下、昔の様式を残しつつ、なおかつ現状にあまり乖離しないよう、芸能人、野球選手、文楽の人形の参加を得て行列を華やかに盛り立てています。 |