大阪弁の特徴 笑いと脅しのステレオタイプ

大阪弁に対するイメージはどんなものでしょうか。一般的にテレビで見ることの多いお笑い芸人などが影響し、おもしろい、話に必ず落ちがある、しゃべり好き、笑わせたがるなどのイメージが有るかもしれません。しかし、一方でフィクション絵あるドラマや映画、マンガなどでの登場人物で大阪弁を使用する人物には以下の特徴が有り、ステレオタイプ化されているといいます。

それが先に上げた、笑いの表現であるおもしろい・しゃべり好き・笑わせるのが好きなどに加え、金銭に対する表現である守銭奴・けち・拝金主義、食に関しての食通・食いしん坊、色に関しての好色・下品・派手好き、精神に関する根性・逆境に強い・エネルギッシュ、そして暴力に関するヤクザ・暴力団・怖いなどです。これらの印象は特に東京を中心とする各メディアによって印象づけられる大阪弁の印象なのですが、最後の暴力に関する部分は1980年代に大阪で起きたグリコ・森永事件や暴力団による抗争事件が背景となっているとされています。
  また、メディアの東京一極集中の中で、東京の些細な情報が全国に伝えられるが大阪などの地方の情報が利用されるときはほぼ事件・事故に関することであることから、東京のメディアが求めるのはその地方にあったステレオタイプな情報であるとも指摘されています。また、先に上げた笑いの表現を除く、金銭・食・色・精神なのイメージは古くは江戸時代から形成されてきたとも指摘されています。

 その理由として、宵越しの金は持たぬ江戸っ子であることや武家文化を背景とした禁欲・理想・行動主義的な感覚が、現実主義な上方商人が江戸を訪れたさいの商交渉が饒舌と感じたり金銭勘定などに対して違和感を感じたと考えられるのです。また、今のお笑い芸人から大阪や大阪弁のイメージをするように当時の人形浄瑠璃の芸風から江戸っ子がイメージを持ったものとして「東海道中膝栗毛」などのセリフが指摘されてもいます。また、近代になって大阪で生まれた時事ネタを元にしたエンタツ・アチャコの漫才などは、「お笑い」というイメージを、同時期の「がめつい奴」などの根性もの戯曲が「ど根性やケチ」というイメージをそれぞれ固定化したと考えられているのです。

日本語学者の中には「トリックスター」の役割を期待されていると指摘も有ります。それは、大阪や関西は直感的で現実的な利益を追求・肯定する、そしてそれは周囲から嘲笑や冷笑・軽蔑の対象となると同時に「お笑い」と結びつくことで道化役となり、偽善・欺瞞・権威・理想・規範といった縛りを笑い飛ばして否定する役割を果たすことができる、が理由です。では「大阪弁に対するイメージはどうですか」と再び質問してみます。その答えはどんなものなのでしょうか。

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