橿原神宮の成り立ち
橿原神宮とは、奈良県橿原市の畝傍山東麓に位置する久米町に存在する神社です。明治23年4月2日に民間有志の請願を受けた明治天皇により創建されました。祭神は、神武天皇とその皇后である媛蹈鞴五十鈴媛です。この地は、初代天皇である神武天皇を祀る畝傍橿原宮があったとされる場所に当たります。畝傍山東麓の北側が神武天皇御陵で、南側が橿原神宮になります。橿原神宮は官幣大社になることから、現在でも皇族の方々による参拝が行われています。
主な年中行事は、1月1日の歳旦祭、1月3日の元始祭、1月7日の昭和天皇祭遥拝式、2月11日の紀元祭、2月17日の祈年祭、4月3日の神武天皇祭、4月29日の奉賛祭、8月8日の献燈祭、11月23日の新嘗祭、12月23日の天長祭、12月31日の大祓式などが行われています。特に、建国記念の日に当たる2月11日の紀元祭は、橿原宮での神武天皇の即位を祝う祭りであることから、多くの参拝者が訪れて賑わいをみせています。
橿原神宮の表参道に入ると、まず一の鳥居が現れます。それをくぐって前方を横切る宮川に架かる神橋という反り橋を渡ると、今度は第二の鳥居である二の鳥居の姿が見えます。また、北参道には北の鳥居が、西参道には西の鳥居が存在しています。橿原神宮の境内にある本殿は、安政2年に建立された京都御所賢所を移建して作られたもので、重要文化財に指定されています。同時に移建された京都御所神嘉殿も神楽殿として重要文化財に指定されていましたが、平成5年の火災により焼失しました。
橿原神宮には、もう一つ重要文化財に指定されている建築物があります。それは、天保15年建立の柳本陣屋表向御殿を移築して作られた文華殿です。旧織田屋形大書院・玄関という名称でも呼ばれています。結婚式などの式典で使用することができますが、それ以外の時には非公開となっています。橿原神宮の設計を行ったのは、東京帝国大学教授であった伊東忠太です。檜皮葺きの屋根と素木造りの建物により日本伝統の建築美が表現されています。
橿原神宮には、横山大観の作による「正気放光」、堂本印象の作による「橿原の図」などの近代の美術品が多く奉納されています。春には桜、初夏には睡蓮(深田池)など、橿原神宮内では四季折々の美しい花々を鑑賞することもできます。橿原神宮へのアクセス方法は、近鉄南大阪線・橿原線・吉野線の橿原神宮駅前駅より徒歩約4分、近鉄橿原線の橿原神宮西口駅より徒歩約11分、近鉄南大阪線の畝傍梧陵前駅より徒歩約12分となっています。