日光東照宮の歴史、日光東照宮のみどころ
家康本人の遺言に「遺体は久能山に納め、(中略)一周忌が過ぎたならば、日光山に小さな堂を立てて観請し、神として祀ること。そして、八州の鎮守となろう」と記されているため、遺命通りに駿河国の久能山に葬られ、その後翌年に下野国日光に改葬されました。正保2年に朝廷から宮号を授与され東照社から日光東照宮に改称したのです。家康が目指した神とは、日本全土の平和の守り神でもあり、不動の北辰(北極星)の位置から、徳川家の安泰と日本全土の平和を守ろうとしたと言われています。
日光東照宮の建物には、多様な動物が彫られており、これらの動物は平和を象徴しています。眠り猫は、家康を護るために寝たふりをしていて、いつでも飛びかかれると言われており、その裏には雀が描かれており「猫も眠るほど平和」を表してるとされています。眠り猫と並んで有名なのが「見ざる、言わざる、聞かざる」で良く知られる三猿です。幼少時には悪事を見ない、言わない、聞かない方がいい、とされる教えです。日光東照宮の木彫像は、いろいろな教えが込められているのです。
日光東照宮の社殿群は、寛永13年に立て替えられたものです。国宝の陽明門などの55棟、費用は「日光山東照宮大権現様御造営目録」によると、金56万8千両、銀百貫匁、米千石を使いわずか、1年5ヶ月の工期で完成しました。境内の特徴としては、自然の地形を生かした参道や階段、社殿群はバランスよく配置され、建物は漆や極彩色に彩られています。柱などにはさまざまな彫刻が、信仰形態や学問、思想を表しながら彫られています。日光東照宮は平成11年12月に「世界文化遺産」に登録されました。
日光東照宮に行くには、最寄り駅は東武日光線・東武日光駅とJR東日本日光線・日光駅です。日光駅から東武バス日光の中禅寺温泉・湯元温泉方面へ循環バスを利用し、西参道を下車、車では東北自動車道宇都宮から、日光宇都宮道路を利用して日光で下り、そこから二キロとなります。定期観光バスも出ており、日光駅発のものと、鬼怒川温泉駅から発車するもの、東京発のツアーなどもあります。日光東照宮には、宿泊施設、日光東照宮の美術館や宝物館などのたくさんのみどころがあります。